2連ポスターのルールについてのまとめ
衆議院任期満了6ヶ月前からは政治活動用ポスターの個人版(候補者になる人 単体のポスター)が使用出来なくなります。その為、政治活動用ポスター(政党等版)ポスターに切り替える事が必要になります。
この政党等の政治活動用ポスター(弁士告知型)が、いわゆる2連ポスターと呼ばれるものになります。
※政治活動用ポスターは顔や名前を知らせるという趣旨で作成出来るのではなく、街頭や屋内などの演説会を告知するという名目で作成が認められています。
今回は2連ポスターについてまとめています。
□そもそも2連ポスターとは?
□2連ポスターの派生グッズ~2連のぼり~
□作成や掲示の際の注意点
◇ そもそも2連ポスターって何?
ポスター面積を3等分し、それぞれ「弁士①」「弁士②」「政党等の演説会告知」を割り当てて作成されたポスターを指します。
衆議院選挙を想定する場合には
- 任期満了の6ヶ月前(今年の4月21日になります。)
- もしくは解散後~公示までの期間
上記の期間は、先々の選挙に影響する、個人の氏名・氏名が類推されるものへ制限がかかる事から、この「いわゆる2連ポスター」を利用し、弁士が等分に2人・3人などと並ぶことから2連・3連ポスターなどと呼びます。
一般的には、候補者になろうとする人と有名な人や政治家と作成する事が多いです。
◇ 2連ポスター派生グッズについて~2連のぼり~
そもそも選挙運動に活用できる機材に「のぼり」は有りません。
そのうえで、近年かどうかは分かりませんが、よく利用されている「2連のぼり」というグッズがあります。
のぼり旗の面積を3等分し、それぞれ「弁士①」「弁士②」「政党等の演説会告知」を割り当てて作ったものです。駅頭や街頭演説の場所などで活用するものです。
- ポスターの材質などに制限がない事
- ポスターのサイズに制限がない事
- 記載内容を等分して2連ポスターと同様の要件を満たす事
によってポスターの延長線上に、この「のぼり旗」が存在します。
◇ 作成や掲示の際の注意点
この選挙直前まで利用できる「2連ポスター」「2連のぼり」ですが下記のような注意事項があります。
- 掲示責任者、印刷者の氏名・連絡先の表示
- 弁士や演説会告知部分を等分すること
- 特定の弁士等の氏名を大きくしない
- 候補者、投票などの選挙を連想する文言を入れない
- 屋内の演説会場などを記載する場合は実際に借り上げをする
- 屋外・屋内を問わず日時を明示する
裏打ちをしないなどもありますが、各地域によって実態が異なることも多いのであえて記載しませんでした。また実際の作成については、各地域の選挙管理委員会に確認しながら活動をしていただくのが良いかと思います。
選挙用ポスターの規格・作成時の注意点のまとめ
国政選挙であれ、地方選挙であれ、数年に1回と期間があいてしまいます。その為、各種ポスターについて「あれ?どうだっけ?」と都度確認し直す事が結構あります。
時間がある時に、こうして確認しておくと困らないものです。
衆議院選挙においてのポスター・実際の作成時には各選挙管理委員会への確認をお願いします。
□選挙ポスターポスターは何種類あるのか?
□各種ポスターのデザインは何処に頼むのか?
□作成時の注意点
◇選挙ポスターは何種類あるのか?
選挙期間に関わるものでは下記の2種類があります。
選挙ポスター①(公営掲示板ポスター)
規格(タテ42cm×ヨコ40cm)
※個人演説会の記載分含めて作成する
・掲示責任者
・印刷社の氏名及び住所
選挙ポスター②(候補者届け出政党分)
規格(タテ85cm×60cm以内)
・掲示責任者
・印刷社の氏名及び住所
・候補者届け出政党のの名称
※証紙の貼り付けが必要
◇ポスターデザインはどうするのか?
主に下記の3つの方法があります。
・デザイン専門の会社に依頼する
・政治活動に造詣のある印刷会社に依頼する
・自ら考えてつくる(昔ながらの方法)
特に選挙ポスターのうち公営掲示板に貼るものについては、作成代金が公費負担になっている事・その為、事前に内容や大きさを確認される事(事前審査)という状況もありますので過去に実績のある会社が望ましいです。
デザイン会社に依頼する場合も同様です。
デザイン機能が高く、政治活動に理解の深い印刷会社が理想ではあります。
※選挙中の事務所の負担を軽減することに繋がります。
衆院任期満了6ヶ月前を控えて
4月21日(水)曜日は衆議院議員の任期満了6ヶ月前にあたります。
この日以降、個人の演説会告知用ポスター(街中に個人の顔写真を大きく掲載したポスター)が掲示出来なくなります。代わりに政党活動用の演説会告知用ポスター(いわゆる2連ポスター)に切り替えて掲示しなくてはならなくなります。
ですので、この期間の少し前から貼り替え準備を検討しなくてはなりません。
必ずしもこの時期の直近ではなく、その他の選挙との兼合い、事務所資金の状況などもっと以前からこの種のポスターを利用する事は多々あります。
これを機に、改めてこの時期から今後の政治活動にかかわるスケジュールを見直し・検討していく必要があります。
- 2連ポスターを含む今後の広報物のデザインの切り替え
- 街頭活動の大雑把なスケジュール化※大規模集会に代えて
- 後援会報の発送スケジュール(政党機関紙スタイルでの作成も考慮)
- 後援会会議のスケジュール化
- ネット関連広報物(SNS等)の内容確認
このあたりを念頭に置いて今後のスケジュールをつくり直して行かなくてはなりません。
それ以外にコロナ対応が必要そうなものとして
- 事務所の検討
- レンタル必要な物品の検討
- 遊説グッツなどの検証
- 選対会議内容の現行化
- 選挙運動全体の現行化
が考えられますし、実際の活動の中で試してみる。また会議などで選挙に関わる人たちの感覚を確認してみるなど余裕のある時期に検証していく事が必要だと考えています。
コロナ対策を踏まえた選挙準備①
これから3回に分けて考えて行きたいと思いますが、下記の3点を踏まえて今後の政治活動を予定していくべきでしょう。
① 考えられる解散総選挙の日程
② 新型コロナウイルス感染症が拡大期でも出来る事
③ 新型コロナウイルス感染症の拡大期に難しい活動
① 考えられる解散総選挙の日程
解散総選挙を見通すうえで
今後の大きな日程として以下の3つが挙げられると考えています。
- ワクチンの接種状況
- 4月25日の衆・参補欠選挙(北海道、長野、広島)
- 7月4日投開票 東京都議会議員選挙
〇 ワクチンの接種状況
医療従事者・基礎疾患のある人・高齢者と順調に進んだときに、その事が内閣支持率にどの程度影響するか?
良い方向に進んだ場合、比較的早い時期であれば解散圧力の増大につながる事象だと考えられます。内閣支持率と不支持率の開き方が接近した場合、政権与党の解散圧力が高まると思われます。
政治活動の5ステップ②
政治活動の5ステップとは具体的にはどの様な活動でしょうか。
①「認知」…存在を知ってもうらう事
地方議員、国会議員、その他 選挙全てにおいてのスタート
具体的な活動…街頭活動(駅立ち、辻立ち)、ポスター掲示
②「理解」…政策、想い、考えている事などを知ってもらう事
具体的な活動…街頭活動(駅立ち、辻立ち)、後援会報、HP・ブログ、SNSでの発信
③「共感」…政策、想い、考えている事などに共感してもらう事
具体的な活動…①、②に付随しており、継続していく事で共感へとつながる
④「支持」…言葉のとおり支持をいただく事
具体的な活動…その支持者が1票となる
⑤「支援」…支持を広げてくれる事
具体的な活動…個人としての支持から周辺へ支持を広げてくれる事
この状態に至る事=後援会活動
これら①~⑤のステップは厳密に区分されているものでは無く、重なり合いながら⑤の状態に至る、もしくは「支援者」と呼ばれる人達を生み出していく事になります。
この際とても重要な事は
「継続していく事」と「定期化する事」この2つです。
議員を目指して5ステップの中にある場合と、これらを乗り越えて当選し、引き続き活動していく際の5ステップでは、①~⑤の活動量の割合は自ずと変化してきます。
いずれにしても、このサイクルを意識して活動する事が大切だと考えます。
政治活動の5ステップ①
政治活動とは一言で表すと「議員の活動を広報する事」となるだろうと考えています。
例えば、国会議員であれば
- 政府の役職にかかわる仕事
- 党の役職にかかわる仕事
- 議員個人の関心にかかわる仕事
と、大まかに3つの活動の柱があります。
①の政府の役職にかかわる仕事ですが、一番わかり易いのは大臣という事になります。
財務大臣や外務大臣、総務大臣など行政機関である中央省庁を束ねるトップとなり、監督することです。民間からの登用も可能ですが一般的には国会議員が起用されることになります。
その各行政府のすべての長となるのが、内閣総理大臣になります。
②党の役職にかかわる仕事ですが、党首や幹事長・選対委員長など政党での管理職です。
党三役や党四役・五役など表したい枠組みで若干表現が異なります。どの政党も幹事長が、その要となります。
③議員個人の関心にかかわる仕事ですが、議員連盟を通じた議員立法や、超党派での立法活動です。
議員個人の問題意識から与党議員だけ・野党議員だけ・超党派で…など問題意識を共有し、法律をつくったり改正したりする活動になります。議員連盟は、ある法律を所管する役所の意向を受けて出来るものや、党内抗争の枠組みとしても行われます。
当選回数が少ないうちは、上記の活動で中々目立ちにくいですが、これを支援者に広報するのが政治活動となります。
では、なぜ広報するのか?
政治活動は最終的に支援してもらう為に行うものです。ここで言う支援とは「政治家を支持し、その支持を拡大してくれること」とします。
そして、この支持にいたるまで5つのステップをたどっていきます。
① 認知→② 理解→③ 共感→④ 支持→⑤ 支援
この①から⑤までをたどって行く為の活動が政治活動なのです。
この解説はまたの機会に致します。
政治活動の基本の「き」
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、政治活動・選挙運動もネット利用など非接触な活動が注目されています。直近ですとclubhouseでしょうか?
しかしながら、政治活動・選挙運動の基本的の「き」は対面に尽きるだろうと思います。
私はこの業界で20数年仕事をして参りましたが、政治活動において対面は非常に重要視されて来ました。議員会館では役所のレクは常に対面ですし、党の勉強会も対面、政治資金パーティのお礼も当然ながら対面です。(議員会館内を戸別訪問します。)
これまで選挙運動において対面より有効で、対面以上に活用頻度の上がった活動は、ほとんどありませんでした。
※コロナ以前は・・・というご意見もあると思いますし、選挙運動がほぼネットで当選の事例もありますが。
選挙カーに乗って、マイクを握り、集会で固い握手をするという選挙のスタイルが変わらない限り、「対面」である事の安心感も変わらないだろうと考えています。
そのうえで、これまで対面で培ってきた関係性をネットやSNSを活用して維持していく、関係性をもった支援者の周囲に広げていくという活動は十分に有効だと思います。
いずれにしても
- 対面でお願いする。
- 対面で傾聴する。
- 対面で感謝する。
これらが政治活動の基礎となるのはこれからも変わらないだろうと思います。
この基礎の上に、